こんちにちは。Ukaluです。
本日は、家を建てるうえで知らない施主と差がつく、これだけは絶対読んでおきたいという本を8冊、紹介します。いずれも、私の家づくりの常識を良い意味で覆してくれた本になります。
「徹底的に考えてリノベをしたら、みんなに伝えたくなった50のこと」
まず紹介したい本は、インフルエンサーブロガーとして有名な「ちきりんさん」の「徹底的に考えてリノベをしたら、みんなに伝えたくなった50のこと」です。
注文住宅・家づくり本の現状
家づくりの本や、検索で上位表示されるサイトは、基本的にハウスメーカーや工務店が買いたものが多いのが現状です。
そんな中、この本の良いところは、徹底的に施主(お金を払って建てる人)目線で、有益な情報を書いている点です。
特に、リノベーションをする上で見た目だけでなく、快適なくらしになる具体的方法(二重窓や生活動線の重要性など)がたくさん書いてあり、家は寒いものと思っていた自分には目からウロコでした。
施主と業者の共同プロジェクト
もう一つの学びは、住まいづくりとは「施主と業者の共同プロジェクト」であるということです。
この視点に気づけたことが、自分の家づくりを正しい方向に導けた理由だと思っています。
そして、この本はとても読みやすい。
まだ知識が少ない、これから家づくりをはじめるかたと同じように、悩みながら施工先を選んでいることや、新しい知識を得ていく過程までわかりやすく書いてあるので、あっという間に楽しく読めてしまいます。
注文住宅だけでなく、リノベーションや中古住宅購入を考えている人もぜひ読んでみてください。
「ホントは安いエコハウス」
続いて、暖かく涼しいエコハウスを作る建築家として最も有名な松尾さんの著作本「ホントは安いエコハウス」です。
私は最初、暖かく涼しい家は、大手住宅メーカーの全館空調を取り入れた高級住宅に限られると思っていたのですが、この本を読んでそんな考えが180度変わりました。
家庭用エアコン1台で全館空調
なんと松尾さん設計のエコハウスでは、普通の家庭用エアコン1台で全館暖房と空調を可能にしてます。何故そんなことが可能なのか。
その答えは、厚い断熱材と家の隙間を少なくする気密性、そして正しい日射取得にあります。この本を見れば詳しく解説されているので、家づくりを考え始めた段階でぜひ読むことを強くおすすめします。
「エコハウスのウソ 増補改訂版」
3番目に紹介する本は「エコハウスのウソ 増補改訂版」です。著者は現役の東京大学准教授である前真之先生です。
先に紹介した「ホントは安いエコハウス」が家づくりに特化していたのに比べ、「エコハウスのウソ」は社会や暮らし方にもフォーカスした著作となっています。
この本を読んでわかったこと
- 快適性を科学的にシミュレートできる。
- ただし、それを活かせている業者は少ない。
- データを適切に使えば、快適性と省エネを両立できる。
- 太陽光は眩しすぎるので、間接的な採光計画を立てる。
その他、家づくり関する情報も豊富にありますので、松尾さんの本と合わせ読んで損はありません。
「木の家に住みたくなったら」
4番目は木に関する本、「木の家に住みたくなったら」を紹介します。
建築家の古川泰司さんを中心としたメンバーが手がけており、まず絵がオシャレで読みやすいです。木の家に興味がある人はもちろん、意識してなかった方も読んでもらいたい一冊となります。
素敵な木の家
それまで木の暮らしと縁のなかった主人公の女性が、素敵な木の家に出会って学んでいく物語となっています。主人公は木に関する間違ったデメリット情報を少しづつ解決していきながら、最後には木の家しか考えられなくなります。私もそうでした。例えば
- 木のいえは本当は高くない
- 地震にも弱くない
- 実は火事にも決して弱くない。
そして木材に関する常識が変わった次の大事なメッセージ
国産の木をたくさん使って森を守りましょう
特に、森の木を切ることが悪いことだと思っていた自分は考えを改めさせられました。人間の手が入らない山は、荒れてしまうのです。本当に最初から人間の手が入っていない山であれば、放置しても問題ありません。
しかし、これまで多くの山は植樹されてきました。この木を活用するなら問題はないのですが、伸ばし放題にすると周りの植物のエネルギーを吸い取ってしまいます。
山が荒れれば、生き物の餌がなくなり、街に出てくることになります。この悪い循環を断ち切るために、先人が植樹してくれた木を「家づくり」に使うのがもっともエコな解決方法なのです。
この本が書かれた当時(2011年)の木材自給率は20%でした。それが2020年現在では、36%まで上昇してきました。実際に工務店を調べてみると、国内の樹木を売りにしているところもいくつもあります。木の家の良さがもっと伝わることを期待し、このブログでもアピールしていきます。
ローコストで最高の家を建てる方法
同じ古川さんの本で、少し毛色が変わった「ローコストで最高の家を建てる方法」を紹介します。
木の家でローコスで建てるためにはどうすれば良いか。その具体的な方法と、実際の金額を公開してくれるのでとても参考になる著作です。
新しい気づきをくれた項目
- ライフステージの変化に対応できる家づくり
- 例えば、後から部屋を仕切れる、外せる
- バルコニーの骨組みだけ作っておいて、後から作りやすい準備だけしておく
- 家は未完成で良い
- 少しづつライフステージの変化や価値観の変化に合わせて作り上げていく
- 24坪1500万円でも家族4人で快適に暮らせる素敵な家が作れる
「ローコストで最高の家を建てる方法」と前回紹介した伊礼さんの本「伊礼智の『小さな家』70のレシピ」のおかげで、はじめに「狭いかな」と思った、35坪で家族5人の家を作ることに抵抗がなくなりました。
「エコハウスはなぜ儲かるのか?」
コストつながりで次に紹介する本は、「エコハウスはなぜ儲かるのか?~工務店から始まるエネルギーシフト~」です。
著者の今泉さんは、日本エネルギーパス協会の代表をされていて、家の燃費のプロなのです。エネルギーコストの知識と実践において今泉さんよりすごい人を私はまだ知りません。
もともとこの本は、工務店向けに書かれた本で、エコハウスを建てることがビッグビジネスにつながることを伝えています。
エコハウスを建てるということ
- エネルギー業界のマネーを取り込むことができる
- 快適で光熱費がかからない家を建て主が喜ぶ
- 地元の材料を地元の工務店が使うことで家を建てる地域の皆が喜ぶ
上のように、メリットが多いことがわかると思います。
今泉さんは、これらの内容を数字をあまり使わず、著書の中でわかりやすく説明してくれます。
特に印象に残った表現
- 日本の家はカマクラ以下
- 日本は貧困から暖房費が払えない国
- 子供たちに明るい未来を残すカギは建築業界が握っている
日本の家はカマクラ以下の表現は衝撃的ですが、実際にイヌイットのカマクラはろうそく一本と人の熱だけで約14℃(外気−20℃)を保てるそうです。日本の家で真冬に10℃以下になる家はたくさんあります。
日本人の一人当たりのエネルギー消費量は、先進国トップの少なさです。さすが日本といえそうですが、実は暖房をたくお金がないという現実が見えてくる話は読んでいて辛くなってきました。
子供たちの未来のために
だからこそ、改善できる点がたくさんある、建築業界に未来はあるとの主張が最後の章であります。自分が小さい時(1980年代)、建築業界は憧れの世界でした。
世界一のビル、橋、トンネル、ダム、etc そこから今まで凋落した日本しか見ていない自分にとっても、車業界しか元気がない今の産業界は悲しい。
ものを大切にする日本の文化と、エコな建造物・システムは大変相性が良いはずです。私もそこに少しでも貢献したいと思わせてくれる素晴らしい本でした。
「ホントは安いエコハウスや「エコハウスのウソ」が少し理系よりの内容なので、これらの本が合わなかったかたは今泉さんの「エコハウスはなぜ儲かるのか?~工務店から始まるエネルギーシフト~」が、とても読みやすいのでおすすめです。
家を買うときにお金で損をしたくない人が読む本
お金といえば、住宅ローンの本も外せません。私がおすすめするローン本を1冊だけ上げるなら、この本で決まりです。「家を買うときに「お金で損したくない人」が読む本」。
著者の千日太郎さんは、住宅ローンに関して調べているときにブログで出会いました。そして、このページで固定金利はリスクを銀行が受けるとの記事を見て、とても参考になると思い本の購入を決めました。
目からウロコだったところ
- 固定は銀行が金利リスクを負い、変動は金利リスクを私たちが負う
- 住宅ローンは支払い失敗の可能性に目を向ける
- ボーナス払いは避ける
- 2020年、現時点の金利はこれ以上下がらない借りる側にとても有利な水準
- ローン控除を利用すると、逆ざやで儲かってしまう
- 住宅ローン控除適用期間は繰り上げ返済しない
この本を読んで、今の金利水準が借りる側にとても有利だと気づき、住宅購入を後押ししてくれました。逆ざやの問題は政府も認識していて、ローン控除は近いうちに変更されてしまうかもしれません。
住宅ローンは金利が0.1%違うと、条件によって金利支払い金額が百万円近く変わってしまいます。ローンを組む前に、この本を読めばローン負担を軽くすることができるはずです。
中村好文 普通の住宅、普通の別荘
最後に紹介するのは、中村好文さんの著作「中村好文 普通の住宅、普通の別荘」です。
これまで読んだ住宅関連の本の中で、No.1を選ぶなら間違いなくこの本です。
家づくり迷子の自分を救ってくれた
「中村好文 普通の住宅、普通の別荘」は住宅選び迷子になった自分を救ってくれました。
家を作るとはどういうことか?
家づくりも最後は人との繋がりなんだと気づかせてくれた本です。
私と同じように家づくりに迷いが生じた方、もしくは最初の一冊としてこの本を推薦させていただきます。
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