家づくりの補助金って種類が多すぎてよくわからないです・・・
ですよねー。私もそう思います。
そこで今日は、これだけは絶対申請するべきほとんどの人がもらえる補助金「グリーン住宅ポイント制度」を紹介します。
追記)グリーン住宅ポイント制度は2021年12月15日までで終了となります。代わりにこどもみらい住宅支援事業が創設されるため、2021年11月26日以降に家を建てる方やリフォームされる子育て世代の方はこちらを利用することができます。⇨国土交通省 報道発表資料
記事も作成しました。⇨「グリーン住宅ポイント」は終了も・・「こどもみらい住宅支援事業」が始まりました!
半年以上前から家づくりについて調べていた方は「次世代住宅ポイント制度」を聞いたことがあるかもしれません。
新築住宅を契約した人が申請さえすれば35万円相当の商品交換ポイントを受け取れる制度として8月末に終了しました。
この「次世代住宅ポイント制度」に変わって新しく創設(12月15日から)されたのが「グリーン住宅ポイント制度」です。(※2/16にウェブページがオープンしました。かなり見易くなってます)
新しく住宅を建てるかたが「グリーン住宅ポイント制度」をもらえる条件と金額ポイントをまとめると
- 40万ポイント:認定長期優良住宅、ZEH等の高い省エネ性能の家を建てる人
- 100万ポイント:上記条件+特例[東京圏や災害リスク高地域からの移住、3人以上(18歳以下)の子供がいる多子世帯、三世代住宅(トイレや玄関等が2つ以上の)いずれかを満たす]
- 30万ポイント:一般的な省エネ性能の家を建てる人(ほとんどのハウスメーカー・工務店の標準仕様)
- 60万ポイント:上記条件+特例[東京圏や災害リスク高地域からの移住、3人以上(18歳以下)の子供がいる多子世帯、三世代住宅(トイレや玄関等が2つ以上の)いずれかを満たす]
ここで重要な点は私のような3人目の子供が生まれたのを機にエコハウスを建てるかたは、100万ポイント受け取れることです。
「グリーン住宅ポイント制度」は35万ポイントが上限だったことを考えると3倍近く増加します。
さらに住宅の工事費用にもポイントを充当できるよう使い勝手が良くなり、「次世代住宅ポイント制度」よりもコスパが上がりました。
私「Ukarlu」は電気系エンジニアとして17年以上の経験があり省エネについては専門的知識を持っています。大学院では太陽光パネルを研究してました。
本記事を読めば、確実に「グリーン住宅ポイント制度」の申請方法を習得できる(内容を理解できる)ので是非最後までご覧ください。
特例措置の対象になっていない方への裏技も書いています。
※12/28発表の国土交通省の資料を参考に記事を作成しています。
こちらの動画も良くまとまっていて分かりやすかったので貼っておきます。(1.5〜2.0倍速がオススメ)
国土交通省の公式動画もありました。
グリーン住宅ポイント制度 対象者は?
断熱等級4とか長期優良住宅とか高級住宅になるんじゃ・・・
断熱等級4は20年前の基準なのでどこでも対応できます。
長期優良住宅やZEH住宅も標準仕様のハウスメーカーや工務店は多いです。
普通の住宅を建てる人 30万ポイント
ポイント対象となる新築住宅は断熱等級4、一時エネルギー等級4以上の住宅となります。
ハウスメーカーや工務店の標準仕様で対応可能なレベルですので、特に意識せずともほとんどの施主は対象となるはずです。
問題は次の追加ポイント条件です。条件に当てはまれば30万ポイントが加算され合計60万ポイントもらえます。
特例30万ポイント加算条件
- 東京圏(東京、千葉、埼玉、神奈川の過疎地域を除くエリア)から地方移住するための住宅
- 子供が多い(18歳以下3人)世帯
- 三世代同居使用である住宅(トイレ、キッチン、浴室、玄関のいずれか2点が2つ以上)
- 災害危険エリアからの移住
東京圏(条件不利地域を除く)から移住のための住宅
1番の東京圏から東京圏以外に移住する人の条件ですが、5年以上東京23区内に通学や通勤実績がないと対象にならないので注意が必要です。
例えば神奈川県の川崎市に住んでいて、川崎市内の会社に通勤している場合は対象から外れます。
多子世帯が取得する住宅
注文住宅を検討している私と同じ子供が3人以上いる世帯は絶対申請しましょう。
注意点は2020年12月15日時点又はポイント発行時点で3人の子供の年齢が17歳以下であることです。
一番上の子供の年齢を把握する必要があります。
三世代同居仕様である住宅
三世代が住んでもトラブルが少ない住宅を推奨する目的で、トイレ・台所・玄関・浴室のどれか2つを2カ所以上設置した住宅が対象となります。
敷地内に2つの住宅がある2世帯住宅は対象外ですので気をつけてください。
災害リスクが高い区域から移住のための住宅
災害危険区域からの移住でもポイントが加算されます。各地方自治体で定められた建築規制区域が対象です。
舞鶴市の例です。
高性能な認定住宅を建てる人 40万ポイント
私Ukaluが推奨するエコハウスのような高性能住宅を建設すれば40万ポイントが付与されます。
エコハウスについてはこちらの記事に詳しく書きました。⇨絶対得する『エコハウス』とは?高気密高断熱で太陽光と熱を使い倒す!
国土交通省が提示する条件は
- 認定長期優良住宅
- ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)
- 認定低炭素建築物
- 性能向上計画認定住宅
認定長期優良住宅
長期優良住宅は家を長持ちさせるための国の基準を達成した住居で、認定を取れれば固定資産税や住宅取得税が少なくなるなどメリットが多い制度です。
施主にメリットがある制度だとちゃんと理解しているハウスメーカーや工務店であれば、標準仕様で対応可能なため書類作成費用だけが追加となる場合も多いでしょう。
長期優良住宅については東京都の資料が参考になります。
ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)
ZEHは太陽光発電を設置して、差し引きのエネルギー消費をゼロにする住宅になります。
大手ハウスメーカが積極的に取り組んでいて、積水ハウスは2019年に建てた住宅の87%がZEHに対応しているようです。⇨積水ハウス資料
ZEHも補助金があり、取り付ける設備によって60万円〜110万円+αと高額ですが配布枠や申請時期に制限があります。
認定低炭素建築物、性能向上計画認定住宅
あまり聴き慣れない「認定低炭素建築物」「性能向上計画認定住宅」は、長期優良住宅やZEHと同じように高性能な家を認定する制度です。
取得条件が厳しく、該当する人も少ないと思いますので本記事では参考リンクだけ貼っておきます。
特例ポイント加算条件
書類申請の追加費用を考えると一般住宅と変わらないような・・・
高性能住宅は普通の住宅を建てるよりもグリーン住宅ポイントは10万ポイント増えますが、書類作成の手数料を考慮するとメリットは少ないように思えます。
安心してください。今回の制度の一番お得な点は、高性能住宅の加算ポイントが大幅に増えていることです。
一般住宅の項目で説明した加算ポイン条件を満たせば+60万ポイント、合計100万ポイントもらえる好条件の補助金になります。
特例60万ポイント加算条件
- 東京圏(東京、千葉、埼玉、神奈川の過疎地域を除くエリア)から地方移住するための住宅
- 子供が多い(18歳以下3人)世帯
- 三世代同居使用である住宅(トイレ、キッチン、浴室、玄関のいずれか2点が2つ以上)
- 災害危険エリアからの移住
一般住宅の条件と同じですので、詳細は省きます。
一番該当者が多くなりそうなのは、2番目の3人子供世帯でしょう。
長期優良住宅やZEHも補助金はありますが、もらえる枠や時期に制限があることを考えると今回のグリーン住宅ポイントは条件さえクリアすれば受け取れる確率が高いため、対象時期に家づくりを検討している方は本当にチャンスですよ。
ポイント交換商品と交換工事の種類
ポイント交換商品と交換工事はどんなものがあるの?
グリーン住宅ポイント 交換商品
ポイントを使って交換できる商品の一覧です。
- 「新たな日常」に資する商品
- 省エネ・環境配慮に優れた商品
- 防災関連商品
- 健康関連商品
- 家事負担軽減に資する商品
- 子育て関連商品
- 地域振興に資する商品
交換商品が公開されました。⇨ グリーン住宅ポイント商品を探す
これまでのポイント制度の商品と近いものになると考えると、少し割高な商品になる可能性があります。
コストパフォーマンスを考えると、ポイントの有効利用はこの後紹介する交換工事の方がおすすめです。
グリーン住宅ポイント 交換工事
詳細な対象工事は発表待ちになります。対象工事が発表されました⇨発行されたポイントの交換対象となる追加工事の例(2021年1月28日)
2021年1月末までに発表された資料をもとに概要を書くと
- 「新たな日常」に資する追加工事
- ワークスペース設置工事
- リビング、ダイニング、寝室等へのワークスペース設置(間取り変更、増築)
- テレワーク関連設備の設置
- 屋外ワークスペースの設置
- 共用ワークスペース
- 開閉可能な間仕切りの設置
- 造作工事によるカウンター、棚の設置
- 音環境向上工事
- 遮音タイプのドアへの変更。外壁開口部の遮音性向上工事(内窓等)
- 内壁の防音工事。吸音、遮音機能のある内装材への変更
- 空気環境向上工事
- 同時吸排気型換気設備、通風機能付き玄関扉
- 空気浄化作用のある製品の設置
- 菌、ウイルス拡散防止工事
- 非接触型水栓、玄関まわりの洗面所、立水栓の設置
- 抗菌、抗ウィルス準備適合建材(壁・床・手すり・ドアノブ等)
- 家事負担軽減に資する工事
- ビルトイン食洗機、掃除しやすいレンジフード、浴室乾燥機、ビルトイン自動調理対応コンロ、宅配ボックス、掃除しやすいトイレ、衣類乾燥機、サンルームの設置、家事を軽減する収納等
- ワークスペース設置工事
- 防災に資する追加工事
- 災害対策
- 屋根瓦、止水板、電気設備移設、感知式ロック機能付き吊り戸棚、防災安全ガラス、防災シャッター
- 停電・断水対策
- 太陽光発電、蓄電池、V2H(戸建て住宅)、飲料水貯留システム、雨水タンク、電気設備の移設
- 地震対策(躯体に関する耐震対策を除く)
- 感震ブレーカー、家具固定器具の設置
- 窓ガラスの飛散防止
- 災害対策
ポイントを使ってどの工事をいつ実施するのか、コストメリットが大きいかハウスメーカや工務店担当者との事前打ち合わせが重要です。
対象となる期間はいつからか?
閣議決定された令和2年12月15日から令和3年10月31日までにハウスメーカーや工務店と工事請負契約できれば対象となります。
国土交通省から発表された全体的なスケジュールはこちら↓
申請方法
ポイントがもらえるのは嬉しいけど申請するのめんどくさそう・・・
正直、複雑で用意する書類も複数あります。
ハウスメーカーや工務店の方が慣れているはずなので代行してもらうのが無難です。
商品交換時の申請方法
ポイントを商品引き換えに使う場合は自分で申請する必要があります。
追加工事時の申請方法
追加工事にポイントを使用する場合はハウスメーカーや工務店といった請負業者が申請する必要があります。
リフォームにも使えます
「グリーン住宅ポイント制度」は新築以外にも建売住宅や中古住宅の購入、リフォームでも使えます。
リフォームに関して、ポイント還元率が高いのは内窓になるようです。金丸さんの動画が参考になります。
お得な使い方と注意点
東京圏に住んでいないし、子供も少ないので申請してもメリット少なそう
三世代住宅も検討する価値あります。
最初からトイレを2つ設置する予定なら設備を一つ増やすだけで+60万ポイントです。
お得な使い方
東京圏に住んでいない方や、子供が二人以下の世帯など特例追加ポイントの対象に入っていないかたにおすすめの裏技を教えます。
それは3世代住宅条件を活用します。
例えば初めからトイレを2つ設置する予定の施主がトイレだけでなく浴室を増やすのです。
実はシャワー室(浴槽無し)でも対象となるので、スペースに余裕がある方は検討する価値ありです。
2つ目の設備は
- トイレとシャワー室 一体型
- ミニキッチン
でも大丈夫なので、追加工事の金額を60万円以内で追加できればポイント加算の60万ポイント(長期優良住宅・ZEH等)で元が取れます。
今は親との同居を考えていなくても将来は状況が変わる可能性がありますし、お客の宿泊や子供が成長などでトイレやシャワールームが複数あるのは便利ですよ。
長期優良住宅の補助金制度も三世代同居仕様で最高30万円の加算があり自分も検討しましたが、33坪以下の小さなエコハウスですので追加のスペースを確保できず断念しました。
もし今から注文住宅を「グリーン住宅ポイント制度」で検討していて、子供が2人だったら間違いなくシャワールームかミニキッチンを追加します。
優秀な建築士であれば、コストを抑えながら快適になる間取りを提案してくれるはずです。
注意点
「グリーン住宅ポイント制度」は他の補助金と併用できるものとできないものがあります。
併用できるもの
- すまい給付金
- すまいの復興給付金
- 外構部の木質化対策支援事業
- 地方自治体の補助金
併用できないもの
- 地域型グリーン化事業
- ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)支援事業
- ZEH化による住宅における低炭素化促進事業
地域型グリーン化事業とZEHは100万円を超える補助がもらえる可能性があるため、「グリーン住宅ポイント制度」は前述の補助金がもらえない時の保険として準備しておくと良いと思います。
「地域型グリーン化事業」と「ZEH」の補助金についてはこちらに記事を書きました。 ⇨ 最高300万円!2021年☀︎住宅補助金・助成金のもらいかた「新築編」その①
リフォームに関しては請負工事契約が別であれば併用できるようです。
2021年1月20追加
国土交通省がいくつかの質問事項について回答しています。 ⇨ よくある質問
こちらの動画もオススメです。
コメント