エコハウスの最強装備「V2H」とは?EVが家庭用蓄電池になる!

お得なエコハウス?
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初めてさん
初めてさん

V2H」って最近聞くけど何のこと?

Ukalu(ウカル)
Ukalu(ウカル)

Vehicle to Home」の略で、電気自動車を家庭用蓄電池にできるシステムのことなんだ。

V2Hとは?

V2Hイメージ

V2Hとは電気自動車(EV)を蓄電池代わりにできるシステムです。

高額の専用充電スタンドが必要だったV2H、2020年夏に救世主が現れます。

それがニチコンのEVパワー・ステーションです。

今まで120万円以上だった専用充電スタンドが、EVパワー・ステーションのスタンダードモデルではなんと40万円で販売されました!

この価格破壊のおかげで設備導入が現実的になりました。

ライバルだった三菱はV2H販売から撤退することとなり、実質ニチコンのEVパワーステーション1強の状況です。

さらに後述する補助金も2021年から始まり、蓄電池を買うよりもどう考えてもお得になります。

V2Hの普及状況

しかしながらこれまでV2Hは全く普及しておらず2020年9月時点で6000台しか設置されていないようです。

「V2H 累計出荷台数」電動車両用電力供給システム協議会より

このグラフの2020年9月から台数が増えている理由はパワーステーション(40万円)の発売です。

コストメリットがあれば普及することを示していますが、メリットに比べ普及が少なすぎると私は思っています。

その理由の一つが、全く魅力を伝えられていないこと

魅力を伝えられない訳は「 V2H」が機械・電気・建築の3分野にまたがる技術のため、全ての専門を理解している人が少ないからではないか?

そう考えると私Ukaluは電気系エンジニアとして自動車関連の仕事も経験があり、現在エコハウスを建築中(V2H設置予定)です。

「もうこれは自分が紹介するしかない!」と本記事を執筆するに至りました。

「V2H」5つのメリット

なぜ「V2H」をオススメするか、まずは5つのメリットを紹介します。

  1. 電気自動車(EV)が破格の蓄電池に早変わり!
  2. 災害時に停電を防ぐ!
  3. EVの充電時間短縮
  4. 深夜料金の有効活用
  5. FIT終了後の太陽光を有効活用

1.電気自動車(EV)が破格の蓄電池に早変わり!

V2Hで電気自動車を蓄電池化

V2Hの最大のメリットは電気自動車が高容量の蓄電池になることです。

1日に必要とされる10kwの蓄電池の相場は工事代も合わせて100万円を超えます。

2021年現在リーフの最も安いモデルでも40kwの高容量バッテリーを積んでおり、蓄電池に換算すると家庭の電気4日分。

すでにリーフを持っている方は、ニチコンのスタンダードモデルを設置すると80万円(機器台40万円+工事費40万円)程で40kwの蓄電池を手に入れることができます。

40kwの蓄電池を設置すると400万以上の費用が必要と考えると、80万円は破格!

新車を購入する方には更に補助金があるためコストパフォーマンスは抜群です。

2.災害時に停電を防ぐ!

停電

V2Hが蓄電池の代わりになることで停電が発生する災害時には頼れる電源になります。

2019年に台風による大きな被災地となった千葉県で起きた停電は全国ニュースで何度も報道されました。

この停電で大活躍したのがV2Hです。 ⇨ 千葉大停電2019を電気自動車とV2Hで乗り切った被災者の体験談

太陽光発電もされていたため、生活の制限は少なかったようです。

電気がある地域まで充電に行けるという視点がとても参考になりました。

局所的な停電であれば自分の電気自動車が電気を運ぶ充電池カーになるため、太陽光パネルの発電量が落ちる雨天時やパネルを設置していない家庭でも電気を使うことができます。

3.EVの充電時間短縮

急速充電

V2Hは通常の家庭用充電ケーブル(3kw)ではなくCHAdeMOのコネクタ(6kw)を使うことにより、フル充電に4時間かかるところを最短2時間で満充電に近づけることができます。

4.深夜料金の有効活用

深夜電力活用

太陽光パネルをすでに設置されている方々は、割安に深夜電力を契約されている方も多いと思います。

V2Hがあれば、この深夜電力をEVに貯めておき昼間に使うことで大幅に家庭の電気代を抑えることができます。

5.FIT終了後の太陽光を有効活用

太陽光発電を普及させるため、発電した電気を高い価格で10年間買い取る制度(FIT制度)があります。

このFIT制度を最初に活用していた方々が期限の10年を迎え始め、売却価格が1/5程度になってしまい電気を自家消費する動きが進んでいます。

その流れにピッタリなのがV2Hです。太陽光のエネルギーだけで自給自足できる究極のエコハウスになります。

「V2H」のデメリット

  1. V2H専用充電スタンドが高額
  2. 戸建てしか設置できない(メリットをフルで享受できない)
  3. 経年劣化(10年で交換を想定)
  4. EVバッテリーの劣化

1.V2H専用充電スタンドが高額

これまでV2Hは高額だった

はじめに書いた通り170万円がV2H普及の大きなハードルになっていました。

2021年に限って言えばEVとの同時購入で20万円〜導入可能です。

地域によってはもっと低額で導入できるかも。

2.戸建てしか設置できない(メリットをフルで享受できない)

「V2H」は実質戸建てのみ

価格の問題が解決した今、最も大きな問題は戸建てしかメリットを享受できないことです。

実は集合住宅の方が補助金は手厚いのですが、蓄電池としての運用を住民でどうシェアするか話し合う必要がありハードルが高くなってしまいます。

今後の改善を期待し、面白い取り組みがあればブログでも紹介します。

3.経年劣化(10年で交換を想定)

経年劣化

太陽光発電と同じで、機器の寿命が10年程度と想定されます。

10年後は機器も進化するはずなので、更新料は今よりももっと安くなることを期待したいです。

一つだけアドバイスをするとすれば、V2Hスタンドを野晒しではなく簡単な屋根やBOXの中に入れましょう。

雨風による劣化を防ぐことができ、機器の寿命を伸ばせるはずです。

3.EVバッテリーの劣化

バッテリーの劣化

欧米ではバッテリーの劣化を嫌ってV2Hの普及が遅れているようです。

初代リーフのバッテリー劣化はよく話題に上がります。

しかし今では技術が進みバッテリー劣化はかなり改善されました。

また、走れる距離は短くなっても家で使うバッテリーとしては十分大きい(40kwが半分になっても20kw、住居2日分の電力)ため、蓄電池としてはあまり問題になりません。

格安(30万円程度)のリーフを買ってバッテリー専用として使う方法にチャレンジされている方もいます。

「V2H」の補助金

前回の記事でも書きましたが(併用できる!2021年☀︎『住宅補助金』のもらいかた「新築編」その②)、2021年度の補正予算案で「V2H」と「電気自動車(EV)」に関する大型補助金が発表されました。 ⇨ 災害時にも活用可能なクリーンエネルギー自動車導入事業費補助金

※追記)令和3年度の補正予算が閣議決定され、電気自動車の補助金が増額されました基本60万円、電源コンセント当の出力が付いていれば80万円に増額されます。ただし、充電設備とV2Hの補助金は無くなりました。

自宅の電気会社を変更する必要がなくなり、申請しやすくなりました。また、今後発売が予定されている軽自動車EVも増額されて50万円となり本体金額も安いと予想されるため、電気自動車デビューに最適だと期待されます。⇨経済産業省 令和3年度補正予算案に「クリーンエネルギー自動車・インフラ導入促進補助金」が盛り込まれました

復活したV2H補助金はこちらの記事で解説してます。⇨令和4年⚡️電気自動車(EV),プラグインハイブリッド(PHEV)補助金は誰でも増額!

2021年1月現在において発表されている概要は

申請車が殺到し2021年5月31日に予算を使い切り終了となりました。6月4日現在、下で説明している環境省の方はまだ申請できるようです。

経産省の補助金が復活しました!7月1日から再募集です。

予算消化により9/8で終了しました。現在環境省のみ申請可能です。

※環境省も予算が残り8億円となり、11月で打ち切りとなりそうです ⇨ 環境省Web

更に環境省は期限が12月28日に延長V2Hなどの充電設備は10月29日まで)されています。6月時点の残予算は経産省は10億円(9/8終了)、環境省が47億円です。

半導体不足で車が出荷されない影響が出てそうですね。リーフもマイナーチェンジ車の発売が9月にずれ込んでいるようですし。

  • 電気自動車は上限60万円、プラグインハイブリッド車は上限30万円、燃料電池自動車は上限250万円
  • 充放電設備(V2H)の設備費は1/2補助の上限75万円、工事費は定額補助で上限40万円
  • 外部給電器(200Vコンセント等)の設備費は1/3補助の上限50万円

さらに、太陽光パネルを設置等で再生エネルギーを100%調達※できれば補助金が増額されます。

※再生エネルギー100%は対応している新電力会社との契約でも対応可能。

ただし、新車登録後1ヶ月以内に申請が必要なため電気会社を変更する際は早めの対応が必要です。

※追記:申請から交付まで4ヶ月以上かかるので、電源の準備をしておいた方が無難です。

  • 電気自動車は上限80万円、プラグインハイブリッド車は上限40万円、燃料電池自動車は上限250万円

工事費まで補助されるのがポイントです。ニチコンのプレミアムモデルでも工事費込みで40万円で設置可能です。

  • 設置費用=設備費80万円 + 工事費40万円 =120万円
  • 補助金=設備費半額40万円 +工事費40万円 = 補助金80万円
  • 設備費120万円 ー 補助金80万円 = 自己負担40万円

自治体によっては更に補助金が用意されているため、例えば神奈川県であれば20万円の補助金が追加でき実質20万円で取り付け可能になります。

これにリーフの新車を購入した場合、

  • リーフS 330万円(税込) ー 補助金73万円 = 263万円

工事費と合わせて、約300万円で新車の電気自動車と40kwの家庭用蓄電池を購入したことと同じになります。

10kwの蓄電池の工事費こみの価格相場が150万円と想定すると、40kwだと600万円、容量が増えた分の割引を換算して500万としても「リーフ+V2H(300万円)」の方が200万円も安くなります。

しかも蓄電池は電気を貯める以外の用途はありませんが、リーフであれば日常の足として使用できます。

現在乗っているガソリン車をリーフに替えると、ガソリン代、車検代まで節約できるのでメリットだらけです。

「V2H」対応車種

電気自動車(EV)

ニチコンのV2H(EVパワー・ステーション)の対応車種。

電気自動車(EV)

リーフ(日産)

e-NV200(日産)

i-MiEV(三菱)

MINICAB-MiEV (三菱)

Honda e(ホンダ)

UX 300e(レクサス)

プラグインハイブリッド車(PHEV)

プリウス PHV(トヨタ)

RAV4 PHV(トヨタ)

アウトランダー PHEV(三菱)

エクリプス クロス PHEV(三菱)

番外編

2021年1月現在、海外メーカーで初めてFIAT500eがV2Hに対応するかもしれないとのこと。

日本の道路に向いている大きさで、デザインも妻好みなのでV2H対応を期待したいです。

「V2H」実は日本しかできない

V2Hは日本だけ

V2Hは日本しか実用化されていない技術なのです。

前の項で欧米ではバッテリーの劣化が嫌われることを述べました。

日本人も同じように劣化は気にします。

しかしそれ以上に、災害が多い日本に必要な技術として多くの方々の努力で市販化までたどり着きました。

2050年カーボンニュートラルを目指す上で、日本が先進的に進めることができる技術がV2Hなのです。

最後に

エコハウスの最高装備「V2H」

太陽のエネルギーだけで家庭の電気を賄うためにはどうしても蓄電池が必要になります。

これまで必要な場所の確保と高額の費用が普及を妨げてきました。

しかしV2Hを使って日常で使う車が蓄電池になれば、場所と費用の問題が解決します。

さらに車の移動エネルギーも太陽で賄えることになります。

このエコハウス最強の装備であるV2H。一般家庭にも大きな補助金が出る2021年は導入のチャンスです。

おまけ

納車日のリーフ

私も遂にリーフを購入しました!

補助金が受理(申請から2ヶ月ほどかかる)されないとV2Hは発注できないので導入が遅れていますが、我が家に導入次第ブログを書かせてもらいます。

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