35年もローンを払うから工務店選びは絶対に失敗したくない!
初めての家づくり、ネットで検索してもどこの工務店が良いのか全くわからない・・・
そもそも住まいの近くに優良工務店はあるの?
あったとして、どうやって選べば良いのだろう?
最長35年のローンを組んで建てる注文住宅や家づくり、リフォーム(リノベーション)をお願いする会社は絶対失敗したくありません。
しかし、家づくりの初心者である私たちが良いハウスメーカや工務店を選ぶのは正直難しいのが現実です。
適正な規模を守り続けている優良工務店は、口コミだけでお客さんが決まってしまい広告する必要がないからです。
やっぱり私みたいな初心者が良い工務店を見つけるのは無理かな?
家は3回建てないと満足できないって聞くし・・・
大丈夫、心配することはありません。
この記事を読めば、優良工務店との繋がりがなくても新たに見つけるヒントを得ることができ、さらに家づくりが100万円以上お得になる方法まで知ることができますので、是非最後まで読んでください。
私「Ukarlu」は電気系エンジニアとして17年以上の経験があり省エネについては専門的知識を持っています。大学院では太陽光パネルを研究してました。
本や動画で知識を学びながら30社以上のハウスメーカーや工務店、設計事務所とコンタクトをとるなかで最終的に素晴らしい建築士と出会えたことで「小さなエコハウス」に挑戦することができました。
学んだ知識と経験をもとに、施主(家を建てる人)目線で優良工務店の選び方を紹介します。
まず良い工務店の選び方を解説するため、キーワードを3つに絞りました。
- 良い建築家・建築士を見つける
- 家づくり評価リストを活用する
- 工務店情報の宝庫、グリーン化事業サイトを活用する
それぞれ詳しく解説します。この項目を少しでも読んでもらえば、良い工務店と出会える確率がグッと上がるはずです。
「良い建築家・建築士」を見つける
良い建築家を見つけるのが良い工務店と出会える理由
マイホームの家づくりといえば、大手ハウスメーカ(積水ハウスやダイワハウスなど)や地元の工務店が一般的です。
しかし、本当に良い家づくりを目指すなら建築家に依頼する選択肢も忘れてはいけません。
実は良い工務店に出会うためには、良い建築家を探すのが最も時間と体力を節約できます。
その理由は以下の三つ
- 建築家は多くの工務店と仕事をすることで良い工務店を把握している
- 要望やコストに合わせて工務店を選ぶことができる
- 工務店を介さず直接良い職人だけを集めて家づくりすることも可能
建築家として仕事をするためには、自分が設計した図面を実際の形にする工務店の存在が不可欠です。
設計事務所を立ち上げて独立している建築家であれば、多くの工務店と仕事をしていることがほとんどでしょう。
その中で、自分の設計を誠実に形にできる工務店と専属契約の形で仕事をされる建築家もいます。
つまり、優良な建築家に依頼することができれば優良な工務店が担当することになり、成功する家づくりが近づくのです。
しかも建築家に頼むの際のトータルコストは一般的なハウスメーカと同程度で極端に高いわけではありません。
こちらの要望と予算を先に伝えればそれに合わせたプランを作成してもらえるため、
建築家なんて、お金持ちしか依頼できないんでしょ?
といった間違った先入観を持つことなく直接会ってみることをおすすめします。
究極のコストカット方法として直接職人さんたちに発注する方法をとる建築家もいますので、まずは相談するのが良いでしょう。
分離発注という方式ですが、上級者向けなので本記事では割愛します。
もう一つ、土地を決める前に建築家や工務店の建築士に会うことが大事です。
建築家や建築士は住む人にとって良い土地を見分ける力も持ってますので、土地から相談しないのは非常にもったいないです。
良い建築家は、土地選びから良い家づくりのコンサルとして活躍してくれます。
土地選びに最適なアイテムを紹介しました。 ⇨ 土地は自転車で探せ!◎クロスバイクのススメ◎(ミニぺロ・折畳み自転車も)
「良い建築家」の探し方
そもそも良い建築家をどうやって探せば良いの?
最も簡単な方法は評価が定まった著名な建築家に依頼することです。
ここで重要なのは家づくりをメインにしている建築家を選ぶことです。
例えば私が好きな有名建築家をあげると
- 伊礼智
- 中村好文
- 堀部安嗣
- 飯塚豊
伊礼智
中村好文
中村好文「湖畔の山荘」設計図集堀部安嗣
飯塚豊
いずれも意匠性だけでなく、快適な住環境にも力を入れている確かな実績のある建築家です。
それぞれ著書も出されていますので、外観や内観、家づくりへの考え方に共感を持ったら、依頼を検討して見てはいかがでしょうか。
有名建築家に依頼した時のコスト(坪単価)は?
問題はコストがどれくらいかかるのか、伊礼さんの場合はこちらに記載があります。 → 伊礼ブログ 設計条件
坪単価100万円からとなっていることから、三井ホームやスウェーデンハウスといったトップハウスメーカーと同じくらいのコスト感覚になると思います。
飯塚豊さんの場合はもう少し安く施工されているようです。坪単価80万円から → I+I設計事務所について
著書を見ればわかりますが、広いエリアで設計をされているので、地方に御住まいの方も選択肢を外すのはもったいないです。
大手ハウスメーカに頼むか迷っているのであれば、依頼する価値があるのではないでしょうか。
地元の都道府県で「建築家を探す」方法
うーん 自分には有名建築家に頼むのハードルが高いです・・・
「有名建築家はハードルが高い」と考える方におすすめの方法が、今の住まいや建築予定地に事務所がある建築家を見つけることです。
方法はまず、houzzにアクセスして専門家タグから建築家を選びます。
次に探したい都道府県や市の名前を入力すれば、建築家の一覧が確認できるはずです。
実例やコスト・建築条件など情報がありますので、ピンときた建築家がいたらメールや電話でコンタクトすればOKです。
建築家のwebサイトリンク先も載っているので、見学会などの日程を確認して直接建物を見たり体験することもおすすめです。
荒らしもほとんど見られず参考になる口コミが多いので、建築家選びの参考に一度覗いてみてください。
「家づくり評価リスト」を活用する
建築家や工務店を選ぶ基準はどうすれば?
建築家や工務店を探す際にどのような基準で選べば良いのか?これは人によって多少基準が変化するものですが、すでに他のWebサイトで紹介されているリストがありますので紹介します。
「住宅会社選別チェックリスト」松尾設計室
1番のおすすめは「本当は安いエコハウス」の著作で有名な松尾設計室の基準です。
本についてはこちらで紹介してます。→知らない人と差がつく、家づくりの常識を変えてくれる8冊
地震への耐久性の基準となる耐震等級3、断熱性能の指標であるUa値が0.46以下、家の隙間を数値化したC値を1以下、結露・夏の日差し対策ができているか。(Ua値とC値はこちらで解説してます→「C値」「Ua値」「Q値」「G1」「G2」は住宅性能(特に断熱)を表す数値)
大まかに言うとこれらが基準となっています。詳細は松尾設計室のWebサイトで確認ください。
松尾さんも創設者の1人でもある「みんなの住宅研究所」が新しくスタートしました。こちらでも基準が示されていました。⇨みんなの住宅研究所
松尾設計室で学んだ工務店リスト
建築知識ビルダーズが松尾設計室を特集し、松尾さんのノウハウを学んだ工務店84社を紹介しています。
家づくり知識メディア「グッシン」 せやま基準
コスパに優れた家づくりを推奨する瀬山さんは、かなり細かいリストを公開されています。
上の松尾さんの基準より緩いのですが、コストとのバランスに優れた基準となっています。
ただし、瀬山さんは30年で家の価値はなくなる前提で基準を作っているため、50年以上価値を持たせたいと考える私には少し物足りないのも事実です。
「工務店の実力を測るチェックリスト20」オガスタ新潟
スーパー工務店と言われる優良企業の「オガスタ新潟」相模さんが、良い工務店を見分けるチェックリストを20個に絞って紹介してます。
実際に家を建て始めてからこの動画を見たのですが、工務店や大工さんの技術を見極めるのに大変参考になる内容でした。
次の5つの項目に分けて解説されています。
- ポイント① 設計
- ポイント② 現場管理
- ポイント③ 経営体制
- ポイント④ 性能
- ポイント⑤ 情報発信
動画の最後に上級者向けのおすすめとして、「間取りの方程式」に著作で有名な建築家「飯塚豊」さんが新米建築家に向けて書かれた「新米建築士の教科書」に出てくる工務店選定リストが紹介されています。
「地域型住宅グリーン化事業リスト」の活用法
建築士と話ができる工務店
周りに設計事務所で頼んだ人はいないし、やっぱり不安だな・・・。
できたら直接工務店の方が訪ねやすいかも。
設計事務所そのものがハードルが高い人におすすめなのは、建築士の顔が見える工務店を訪ねることです。
工務店やハウスメーカの中には、打ち合わせが営業さんのみで、建築士と話をする時間がほとんどない会社もあります。
一生に一度の注文住宅で、建築士と話ができないのはとても「もったいない」です。
住まいを建てる地域で満足する家づくりのヒントをたくさん貰える数少ないチャンスを逃すことになります。
最近では、先に紹介した伊礼さんや飯塚さんといった有名建築家が設計塾を開催して、工務店の建築家の実力を底上げされてきました。
一般住宅に関しては、ビルをメインとした建築家より優れた建築士も多くなり、工務店を最初に選ぶのも正解の一つです。
私も最終的に依頼した工務店は、所属する建築士さんと家づくりについて意気投合したことがきっかけです。
地域型グリーン化事業リストは「長期優良住宅・低炭素住宅・ゼロエネ住宅」実績に注目
素敵なお家の写真がたくさん載ってたり、ブログもやってる工務店多いね!
ただし、工務店は数が多いため10件程度の絞り込みが必要です。
「安くて長持ちするエコハウス」を普及させたいUkalu基準の工務店ピックアップ方法を紹介します。
地域型グリーン化事業とは?
多くの工務店は国土交通省の地域型グリーン化事業に登録しています。
理由は長期優良住宅を建てた際、補助金対象の工務店として認定されるからです。
私はこの長期優良住宅を継続的に建てている工務店は、一定の信頼性がある工務店だと判断しました。
前回のおすすめ動画で紹介したラクジュ建築の本橋さんも、グリーン化事業リストを工務店選びに活用することを推奨してます。
グリーン化事業リストから実際の工務店を選ぶまで
具体的な工務店の選び方ですが、こちらにアクセスして→地域型グリーン化事業>採択の結果
自分の住んでいる都道府県や住まいを建てる予定地区を選びます。
すると地域毎の一覧が出ますので、目的の都道府県の団体を選ぶと所属する具体的な工務店リストが見れるようになります。
各都道府県に複数のグループがあるので、建てる予定の地域について全て確認しましょう。
ここで、チェックするのは長期優良住宅、低炭素住宅、ゼロエネ住宅の施工実績です。
それぞれの住宅の詳しい内容については別記事で書きますが、国が定めた高性能基準を満たしたことで補助金対象になった住宅の施工実績となります。優良工務店は間違いなくこの基準を満たしています。
私は、3年以内に1棟でも施工実績があれば信頼できると判断して、自分の家から30分以内に車でアクセスできる工務店をピックアップしました。長期優良住宅の申請実績のない工務店も意外と多いです。
30件以上になりましたが工務店のホームページで施工例を見ながら、「建築士と直接打ち合わせできるか」、「家づくりの考え方に共感できるか」確認しながら訪問先を10件くらいに絞り込んで、実際にコンタクトを取りました。
グリーン化事業リストのもう一つのメリット 100万円を超える補助金がもらえるかも!?
長期優良住宅は補助金がもらえると聞いたけど本当?
もともと、地域型グリーン化事業は良い住宅を建てる工務店を応援するために始められた制度です。
リストに載っている工務店は決まった枠の中ではありますが、100万円以上の補助金がもらえる権利を持っています。
ただ、それがもらえるかどうかはお客さん(施主)が長期優良住宅をどれだけ望むかによっても左右され、施主が少なければ自分が対象になる可能性が上がります。
タイミングによっては100%もらえる場合もあります。補助金については別記事で詳しく書きます。⇨ 最高300万円!2021年☀︎住宅補助金・助成金のもらいかた「新築編」その①
新しく始まった「グリーン住宅ポイント制度」についてはこちら ⇨ 2021年限定!補助金「グリーン住宅ポイント制度」もらえる条件
優良工務店リスト
住宅系youtuberが増えたおかげで、優良工務店の情報が公開しやすくなりました。
私が家づくりをする上でお世話になった建築家や工務店が優良工務店リストも作り始めています。
家づくり応援 業者マップ
構造塾の佐藤さんの会社M’s構造設計が主催する業者マップになります。最も構造的に強くなる許容応力度計算の耐震等級3実施の有無がわかるだけでなく、断熱性能についても工務店の実績が把握できます。
リストにある設計事務所や工務店は多少遠くても訪問する価値があります。
家づくり百貨
家系youtuberのパイオニアであるクオホームの本田さんがクラウドファウンディングで立ち上げたサイトです。
家づくり百貨の協賛企業は優良工務店が集まっているので紹介します。
もし住まいの近くに協賛企業があったらラッキーですよ。youtubeやクラブハウスで生のお話を聞いていますがいつも勉強になってます。
Ukaluの家づくり基準
専門的な用語もあり正直理解しづらいところもあったと思います。
そこで最後にこれだけは知識として持つことで、家づくりを成功させる確率が上がるまとめ項目として「Ukaluの家づくり基準」を書きます。
- 家から30分以内でアクセス可能 (気軽に会える)
- 建築士と最初から話ができる (自分の家を設計する最重要人物)
- 家の実例が好みと会う (センス・価値観が合うことも重要)
- 耐震等級3、Ua値0.46以下もしくはG1基準以上、C値1.0以下 (性能を担保する)
- 長期優良住宅、低炭素住宅、ゼロエネ住宅 (補助金&工務店の実力把握)
最後の耐震等級3、Ua値、G1基準についても別記事で詳細を書きますが(Ua値とG1、C値はこちらで解説してます ⇨ 「C値」「Ua値」「Q値」「G1」「G2」は住宅性能(特に断熱)を表す数値)、以前に紹介した動画やWebサイトでも学べます。
耐震等級3も解説しました ⇨ 震度7でも『【認定】耐震等級3』のエコハウスが家族と財産を守る!
性能に関する数値をぶつけて、納得いく回答を得られるような建築士に出会えたら家づくりは成功に近づくでしょう。
良い建築士と出会うと家づくりが最高に楽しくなるので、同じ経験ができる人がたくさん増えて欲しいです。
一生のパートナーとなる工務店・設計士と出会えるよう、一緒に頑張りましょう!
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