家づくりの補助金ってたくさんあるけど、まとめて申請できるの?
併用できるものとできないものがあるので注意が必要だよ。住宅設備は併用できるものが多いので積極的に調べよう!
前回、最初に検討すべき大型補助金について解説しました。 ⇨ 最高300万円!2022年☀︎住宅補助金・助成金のもらいかた「新築編」その①
これだけでも100万円以上もらえる大きな補助金ですが、他の助成金と併用すれば最高300万円を超える補助金をゲットすることも可能です。
基本エコ設備に補助金が設定されていますので、お得なエコハウスが増えることを期待して解説します。
制限なしで併用できる補助金の種類
まずは積極的に申請するべき、どんな補助金とも併用可能な4つを紹介。
- どの補助金とも併用可能
すまい給付金(2021年度で終了)- 外構部の木質化対策支援事業
- 家庭用燃料電池
- 災害時にも活用可能なクリーンエネルギー自動車導入事業費補助金
1.すまい給付金(2021年度で終了)
追記)2021年度で終了しました。2022年度は申請できません。
住宅購入者が申請さえすれば10万〜50万円が必ずもらえる補助金です。
必ず申請しましょう!
購入者の所得によって貰える金額が違います。目安は以下です。
収入目安 | 給付金額 |
450万円以下 | 50万円 |
450〜525万円以下 | 40万円 |
525〜600万円以下 | 30万円 |
600〜675万円以下 | 20万円 |
675〜775万円以下 | 10万円 |
扶養状況なども加味した給付金額はこちらの公式サイトで簡単に計算できます。⇨ すまい給付金シミュレーション
2.外構部の木質化対策支援事業
知名度の低い外構・エクステリア補助金で私Ukaluがイチ押しなのが「外構部の木質化対策支援事業」です。
庭にウッドデッキや木の塀(フェンス)などのエクステリアを建てる場合に補助金が出ます。⇨外構部の木質化の支援事業
補助金額
2021年度補助金額
- 木塀1mあたり1万円(上限300万円)or 2万円(600万円)
- ウッドデッキ1㎥あたり
1.5万円(上限300万円)or3万円(600万円)
2022年度は↓の金額に変更されていました。
木塀は同額、ウッドデッキは減額されてます。最高金額は昨年と同じです。
- 木塀1mあたり1万円(上限300万円)or 2万円(600万円)
- ウッドデッキ1㎥あたり1万円(上限300万円)or 2万円(600万円)
最高600万円の高額補助金が出ます。
クリーンウッド法に基づく登録事業者から木材を買えば高額側(木塀2万円、ウッドデッキ2万円)となります。
依頼する工務店や外構業者がクリーンウッド法に登録している木材業者と取引があれば対応できるはず。
10mの木塀を設置する際の価格相場は、25万円〜40万円(参考:ウッドフェンスを設置するリフォームの施工費用・価格の相場は?)であると考えると、20万円(10m×2万円)の補助金で工事金額まで半分以上まかなえてしまいます。
実例は公式サイトで紹介されています。⇨Love kinohei
こんな素晴らしいウッドデッキや木の塀がほぼ補助金だけで建てられるのは信じられません。
コロナの影響で予算が削減されないと考えると、2022年度も実施される可能性が高いため要チェックの補助金です。
私Ukaluが2020年度に工務店と協力して申請した木塀(ウッドフェンス)はこちら↓
申請条件に最低高さの規定があり、かなり大きい木の塀となっています。
使った木材はこちらで確認できる補助金対象のObiREDを使用しました。
AZN乾式注入防腐・防蟻処理によるAQ認証製品を選定してます。
申請日当日に終了するほどの人気補助金
ただデメリットが一つだけあって、補助金が破格なだけあって物凄い競争率です。
3年前から始まった補助金ですが先着順だったため、知られていない初年度でも3ヶ月ほどで予算がなくなりました。
昨年に至っては申請日当日に終了となっていました。
2021年度まで先着順で実施されていましたが、今年度の一次募集は地域や実施形態を考慮して審査するとの文言になっており抽選になる可能性が高そうです。⇨ 外構実証型事業
ただし、二次募集はこれまでと同様に先着順となるため、一次で落選してもチャンスがあるかもしれません。
事前審査の開始は5月17日となっており、抽選の可能性もありますが申請を考えている方は急いで準備したほうが良さそうです。
二次募集は6月21日とタイトなスケジュールとなっているため早めに動くことをオススメします。
※6/21の2次申し込みは6/30で上限に到達し終了しました。
2022年度の事前申請は終了しました。追加募集の情報が出ましたら更新します。
地方自治体の木材活用補助金
各都道府県でも木材(県産材)に関する補助金が設定されている可能性があるため、ぜひ調べてみてください。
私が住む滋賀県では最高40万円の補助金が申請可能です。⇨ 木の香る淡海の家推進事業
岐阜県 ⇨ ぎふの木で家づくり支援事業
大分県 ⇨ 「おおいたモデル木塀」の設置へ支援する「新たな木材利用確保推進事業」
山形県 ⇨ 「やまがたの木」普及・利用促進事業
佐賀県 ⇨ 県産木材を使用した新築・リフォーム・木塀に助成を行います
石川県 ⇨ いしかわの森で作る住宅推進事業
長野県伊那市 ⇨ 伊那市産の木材を住宅、木塀等に使用する場合の補助金
鳥取県 ⇨ とっとり住まいる支援事業
福井県 ⇨ 県産材を活用したふくいの住まい支援事業
埼玉県飯能市 ⇨ 西川材使用住宅等建築補助金について
おまけ
外構費用を抑える方法として、自分で芝庭を作る方法を解説しました。⇨初心者が芝庭DIYに挑戦!「鳥取方式」なら安くて楽に緑の絨毯が作れる
3.家庭用燃料電池
家庭用燃料電池(エネファーム)を導入する際の補助金になります。
・固体酸化物形燃料電池(SOFC) 1万円〜4万円
・寒冷地・LPガス対応加算 3万円
エネファームはガスで発電する設備です。そのため停電時でも自家発電可能となります。
エネルギーの利用効率が97%とめちゃくちゃすごいのでもっと普及して欲しいと思いますが、現在の補助金額では元が取れそうにないため設置数の伸びはイマイチのようです。
注意点はZEHでも用意されているエネファームの補助金を使っていると併用はできません。
ここがややこしく、長期優良住宅だとそもそもエネファーム補助金の設定がないため問題なく併用できます。
ZEH関連との併用は注意が必要です。
4.災害時にも活用可能なクリーンエネルギー自動車導入事業費補助金
令和2年度の第三次補正予算で閣議決定され、国会も通過した新たな補助金です。これまと比べ補助金額が大幅に増加しました。
令和3年度(2021〜2022年度)も補正予算が閣議決定され、電気自動車の補助金がさらに増額されました。基本60万円、電源コンセント当の出力が付いていれば80万円です。
こちらの補助金は2021年11月からすでにスタートしてます。
自宅の電気会社を変更する必要がなくなり、申請しやすくなりました。また、今後発売が予定されている軽自動車EVも増額されて50万円となり本体金額も安いと予想されるため、電気自動車デビューに最適だと期待されます。⇨経済産業省 令和3年度補正予算案に「クリーンエネルギー自動車・インフラ導入促進補助金」が盛り込まれました
無くなったV2H補助金に代わる助成金と合わせてこちらの記事で解説してます。⇨令和4年⚡️電気自動車(EV),プラグインハイブリッド(PHEV)補助金は誰でも増額!
※経産相の補助金は2021年5月31日で締め切られました。環境省は引き続き9月30日まで大丈夫のようです。
(コンセントが付いているPHEVが大量に申請されたと思われます。電気会社を切り替えるのはハードルが高いのか環境省は予算が残っているようですね。)
実は予算が余ったらしく経産省の補助金が復活しました!7月1日から再募集です。
※9/9付で予算に達し終了となりました。環境省はまだ予算が残っているようで、申請可能です。
環境省の予算も残り10億円を切り、11月で前倒し終了となりそうです。⇨ 環境省WEB
更に環境省は期限が12月28日に延長(V2Hなどの充電設備は10月29日まで)されています。6月時点の残予算は経産省は10億円、環境省が47億円です。
半導体不足で車が出荷されない影響が出てそうですね。リーフもマイナーチェンジ車の発売が9月にずれ込んでいるようですし。
- 電気自動車は上限80万円、プラグインハイブリッド車は上限40万円、燃料電池自動車は上限250万円
新車登録後1ヶ月以内が申請期限ですので、電気会社変更の際は早めの手続きが必要です。
※現在申請から交付まで4ヶ月以上かかっているようです。V2H等の充電設備は審査が通ってからの発注となるため、外に200V用コンセントだけ追加しておくのをお勧めします。
自分は作らなかったため、自宅外で充電しなければならず少し不便になってます。
太陽光パネルの設置を検討している方は、電気自動車やプラグインハイブリッド車を購入する際に補助金が増額されるので大変お得になります。
さらにこの補助金がすごいのは、充放電設備(V2H)の設備費が半額、工事費がほぼ全額補助されることです。
蓄電池がまだまだ高額であるため、蓄電池と自動者を併用できるV2Hは最もコスパが高い設備です。
V2Hについてはこちらで解説しました。⇨エコハウスの最強装備「V2H」とは?EVが家庭用蓄電池になる!
ZEH,ZEH+と併用可能
- ZEH,ZEH+と併用可能
- 先進的再エネ熱導入支援事業
ZEH+とは?
前回紹介したZEHハウスの強化バージョンです。
前回紹介したZEHハウスの強化バージョンです。
断熱、省エネ性能がかなり高くなっています、と言っても優良工務店であれば簡単に建てられるレベルです。
東京都など温暖な地域6区分のUa値という断熱性能で表現すると
- Ua値 0.87 国が定める最高等級
- Ua値 0.6 ZEH基準
- Ua値 0.5 ZEH+基準
ZEH+の基準で家を建てれば、省エネで暖かく涼しい家づくりにだいぶ近づきます。
Ua値についてはこちらの記事で解説してます。⇨「C値」「Ua値」「Q値」「G1」「G2」は住宅性能(特に断熱)を表す数値
先進的再エネ熱導入支援事業
ZEH、ZEH+に追加で「先進的再エネ熱導入事業」の補助金を併用できます。
先進的と言うだけあって、導入している家庭が少ない設備が補助金対象になっています。
- CLT 定額90万円/戸
- 地中熱ヒートポンプシステム 定額90万円/戸
- PVTシステム 65~90万円/戸
- 液体集熱式太陽熱利用システム 12万円/戸もしくは15万円/戸
- <蓄電システム> 2万円/kWh、補助対象経費の1/3又は 20万円のいずれか低い額
PVTシステム
PVTシステムとは太陽光パネルに太陽熱利用システムを組み込んだものです。
自分が知っている範囲ではOMソーラーのみが導入検討できる設備を発売しています。
私の「小さなエコハウス」でも導入を決めました。
心残りなのは、ZEH+の申請時期に間に合わず長期優良住宅の補助金を選択したため「PVTシステム」の補助金申請は選べなかったことです。
時間を巻き戻せるなら、ZEH+に間に合うよう綿密に計画を立て直したいです。
CLTと地中熱ヒートポンプについて
CLTは新しく導入が始まっている木造材料で、ひき板(ラミナ)を並べた後、繊維方向が直交するように積層接着した木質系材料です。
価格がまだかなり高いため、一般住宅むけで使うのは正直難しいです。
高層ビルも建てられるくらい強い木質素材なので将来性は非常に高く、自分も注目しています。
地中熱ヒートポンプも設置に300万円以上の価格が必要ですので、2021年時点において補助金があっても導入は厳しいです。(東京都は100万円を超える補助金が更に追加できるため検討の余地ありだと思います)
ZEH+,次世代ZEH+実証事業と併用可能
- ZEH+,次世代ZEH+実証事業と併用可能
- 蓄電システム
- 燃料電池
次世代ZEH+実証事業?
次世代ZEH+実証事業とはZEH+に加えて設備のより効率的な運用等により太陽光発電等の自家消費率拡大を目指したZEH住宅のことです。
ZEH+に蓄電システム、燃料電池、V2H充電設備、太陽熱利用温水システムのいずれか一つを足せばOKです。
上記設備に対して補助金が追加で交付されます。
次世代ZEH+実証事業単独の補助金は105万円。
これに下記補助金額を追加できます。
蓄電システム
燃料電池
V2H充電設備(充放電設備)
2020年度からZEH+、次世代ZEH+実証事業にV2H充電設備の補助金が設定されました。
次世代ZEH+実証事業のみ併用可能
次世代ZEH+実証事業は太陽熱利用温水システムを導入すると補助金が出ます。
空気式は60万円と高額ですが12㎡も集熱パネルを設置しないといけないため、屋根もしくは庭が広くないと設置が難しそうです。
液体式は17万円と補助金は少なめですが、設置パネル面積が4㎡以上と狭い箇所でも取り付け可能なレベルなため、こちらの方が現実的かも。
- 次世代ZEH+実証事業のみ併用可能
- 太陽熱利用温水システム
太陽熱利用温水システム
地方自治体の補助金
地方独自の補助金は併用可能です。お金がある都市部の方が手厚いようです。
- 地方自治体の補助金例
- 東京
- 神奈川県
- 他の自治体
東京都助成金
2022年度の東京都は補助金がめちゃくちゃ大きいです。(議会を通過すれば)
太陽光パネルがあれば、V2Hをほぼ無料で設置できそうです。 (太陽光パネルが無い家庭向けに1kwあたり12〜15万円の補助金も新設)
- 蓄電池 以下のいずれか低いもの
- 商品金額の1/2
- 1kwhあたり10万円
- 上限60万円
- V2H
- 商品金額の1/2(太陽光なし)上限50万円
- 全額(太陽光あり) 上限100万円
東京都はさらに太陽熱も補助金があります。 ⇨ 東京都環境局補助金
東京でエコハウスを作ると補助金だけで設備が揃いそうです。うらやましい・・・
神奈川県助成金
神奈川県も手厚い補助金が用意されていました。
日産のお膝元ということもあり、V2Hの補助金が20万円もらえます。
- (1)【令和2年度神奈川県蓄電システム導入費補助金】蓄電システムの導入にかかる設備費及び工事費の1/3、上限15万円。太陽光発電の新規導入量が2kW未満の場合は最大7.5万円。
- (2)【令和2年度ネット・ゼロ・エネルギーハウス導入費補助】補助対象経費の1/3、上限20万円。設備により異なり、最大25万円。
- (3)【EV活用自家消費システム導入費補助金】EV等と太陽光発電システムと併せて新たにV2Hを導入する経費の一部を補助。上限20万円。
- (4)【令和2年度神奈川県既存住宅省エネ改修費補助】省エネ効果が見込まれる窓等の改修工事に対して補助。上限7.5万円。
他の地方自治体補助金について
東京・神奈川以外の地方自治体の補助金については、こちらのサイトがよく纏まっていました。 ⇨ goo住宅不動産
生ゴミ処理機や雨水タンクは対応している自治体が多いので要チェックです。
その他補助金
自治体によっては雨水タンクや生ゴミ処理器の補助金が用意されています。
雨水タンクは補助金がなくてもオススメですが、補助金がもらえたら外構工事に必ず加えたいですね。自治体によっては75%も補助してくれます。→☂️雨が楽しくなる雨水タンクのススメ 補助金で買える3選
オススメの「補助金併用」組み合わせ
正直種類が多すぎて混乱される方もいると思いますので、私Ukaluおすすめの組み合わせをハウスメーカーと工務店でそれぞれ書きます。
ハウスメーカー家づくりのオススメ補助金
- ZEH+ 105万円
- 先進的省エネ設備 12万円(液体集熱式太陽熱利用システム)
- V2H補助金 75万円
- 住まい給付金 10〜50万円
- 外構の木質化給付金 50万円
- 合計252万円〜292万円
ハウスメーカーでの家づくりではZEH+がオススメです。蓄電池はまだ高いので、中古のリーフを買ってV2H設備を整えるのが最もコストパフォーマンスが良くなります。
工務店で家づくりのオススメ補助金
- ゼロエネ 140万円 (太陽光なし長期優良住宅100万円)+ 20万円(地域材加算)
- 住まい給付金 10〜50万円
- 外構の木質化給付金 50万円
- 合計220〜260万円
工務店の場合、太陽光を設置するならゼロエネを目指し地域材の加算も狙いましょう。
太陽光パネルを設置しないのであれば長期優良住宅の補助金申請がオススメ。
地域材は住んでいる地元の材木ではなく、申請する工務店が所属するグループ指定国内の木材であれば対応できます。
工務店の担当に是非確認してください。木材を熱く語ってくれるかも。
最後に
補助金の申請で重要なのは営業担当や設計士さんとのファーストコンタクトで「補助金が申請できるか」伝えることです。
初めに伝えることで、補助金を想定した内容やスケジュールでハウスメーカーや工務店を比較することができます。
自分の感覚では優良なエコハウスを建てる業者は補助金に関する情報もしっかり把握していて、自社の建築は問題なく対応できることをアピールされていました。
スケジュールや枠の関係で結果的に補助金を得られない場合もあると思いますが、ハウスメーカーや工務店のアンテナの高さを評価する物差しになると思います。
2021年に関しては、グリーン住宅ポイント制度も選ぶことができるためZEHや長期優良住宅の枠にも余裕が出る可能性もあり、エコハウスで補助金をもらえる絶好のタイミングです。
ぜひ相性の良い設計士さんや営業担当を見つけて、2021年の補助金チャンスを活用しましょう!
コメント